温窟サウナ かま蔵|土のかま蔵でしっぽりととのう群馬・伊勢崎の洞窟サウナ

群馬県伊勢崎市のモール内に、ひっそりと佇む「温窟サウナ かま蔵」。60分1,000円からという驚異的なコスパで話題のこの施設は、男性専用ながら6月からレディースデーも開催され、今後定期的な実施が予定されている。
 
「しっぽり一人で入れるサウナ」をコンセプトに掲げるこの施設を実際に体験してみると、その独特な世界観に一瞬で引き込まれた。アウフグースや賑やかなイベントとは一線を画し、静寂の中で自分と向き合う時間を提供してくれる。今回は、その魅力を余すところなくお伝えしたい。

【サウナ室】土の洞窟に包まれる、唯一無二の熱体験

まず驚かされるのが、入り口の円形ドア。雪のかまくらを思わせるその形状は、身長170cmの筆者でも頭を屈めて入る必要がある。こういった視覚的な特徴は、日常と非日常のスイッチを切り替えやすくて好きだ。仕事や人間関係を忘れて、洞窟サウナの世界へと入っていこう。

サウナ室に足を踏み入れると、中央に鎮座する茶色い箱。よく見るとサウナストーブの木枠の上に丁寧に土が塗られている。しかも分厚つそうな土の層だ。見上げれば天井にも、座れば肌と数センチの壁にも、土がべっとり。この土壁こそが「温窟サウナ かま蔵」最大の特徴で、輻射熱が全身をじんわりと包み込む独特の温まり方を体験できる。

座席は3段のひな壇式で、ストーブを中心に左右対称なのが美しい。最上段は1人だけが座れる特等席となっており、ここには専用の排気口も設置されている。ドアの足元も10㎝隙間を空けて、空気の流れを意識した設計だ。さすが関東でサウナの名店を作り続けるプロ。気持ちいい呼吸に関わる空気の流れまで計算された設計に、運営の本気度を感じずにはいられない。

「サウナ横綱」・「サウナリウム高円寺」を運営する設計会社

このサウナ施設、実は、「サウナリウム高円寺」や「サウナ横綱」と同じ設計会社が手がけている。どの施設もHARVIA(ハルビア)のストーブを基本とした本格的なフィンランド式サウナを楽しめる。オーナーのこだわりで、アウフグースは実施せず、ただサウナに浸る空間、サービス面でのソフトづくりが徹底されている。完全黙浴ではないのもポイントだ。小声での会話なら問題なく、まさに銭湯のようなローカルの風呂ならではのコミュニケーションは特に運営に遮られない。心までほっこりする温かいルールがまたいい。

【水風呂】120cmで潜水OK!全身どっぷりクールダウン

洞窟型の土サウナで足先まで温まったら、120cmの深さを誇る立ちスタイルの水風呂だ。水風呂に向かう動線の床は「真っ赤」。サウナ後に肌に現れる「アマミ」よりもしっかり赤い。どくどくと唸る心臓と、全身から立ち込める自分の湯気をまといながら歩く様子は、さながらサウナのレッドカーペット。クライマックスの水風呂は近い。サウナ室の隣で、階段を上がれば快感のステージへ行ける。

浴槽は5〜6人が同時に入れる大型サイズで、階段を降りれば170㎝の胸ぐらいまでの深さ。膝を畳めば一気に頭まで「ドボン」と入れるミニプールスタイルが爽快だ。
群馬の水道水を使用しているが、水嵩に連動して流水が保たれており、清潔感は申し分ない。何より嬉しいのが潜水もOKというサービス精神。全身を組まなく冷やせるし、水風呂の入口で周りを気にしながらバシャバシャと頭に水をやるあの感じ、肩身の狭いととのわない気持ちにならなくて済む。

土地の広さを活かした、大通り沿いの伊勢崎にあるサウナ施設ならではの贅沢な水風呂体験だった。系列店舗では味わえない贅沢なポイントなので、ぜひ堪能してほしい。

【休憩・ととのいスペース】22席の内気浴と植物に囲まれた外気浴

内気浴スペースは、印象的なエンジ色に近い赤い床が目を引く。サウナ後の地肌や燃えるサウナの熱を表現しているのか、インパクトは抜群でサウナ体験として記憶に残りやすい。「床が赤いところでしょ?」というフレーズもすでに知人から聞いた。

見た目のインパクトに加え、椅子の数も圧巻だ。アディロンダックチェアが22脚も用意されており、背もたれに深く身を委ねて、ととのい難民にならずにゆったりと休める。フリードリンクも完備していて、麦茶はもちろん、そば茶がうまかった。サウナ後の敏感になった味覚に、そばの旨みが染み渡る。サウナ後だからか、グルタミン酸でも足しているかのようなしっかりとした旨みが舌から喉へと流れ込み、満足感から幸福度が爆上がりした。単なる水分補給は作業になりがちがだが、そば茶のおかげで味わいと余白のある贅沢な休息になった。もう2杯はいける。

外気浴スペース

珍しい赤い内気浴から、外に出ると雰囲気がガラッと変わる。外気浴エリアはウッドデッキだ。さらにエリアのコーナーに本物の植物が植栽され、癒しの要素が満載。チェアも数種類あって、体の曲線に合わせたフルリクライニングチェアが良かった。屋根があるのも悪くない。日除になるし、雨でも外気浴がストレスなくできる。

ここの外気浴は、夜もおすすめだ。暖色系で光量は控えめのライティングが植物を照らし、風に揺れる葉の影が天井に映り込む。自然な風と生の植物が作る光と影の演出は、ふと目を開けた時に主張も少なく、心地いい。フェイクではなく、本物の植物がもたらすストレス軽減効果も相まって、心の底からリラックスできる空間だった。

【お風呂・壺湯】木に埋もれるプライベート風呂

外気浴エリアのウッドデッキには、1人用の壺湯が埋め込まれている。入浴すると目線が床と同じ高さになり、木の中に沈んでいくような不思議な感覚を味わえる。
大衆サウナでありながら、この瞬間だけは完全にプライベートな時間が確保される。大衆サウナに行く時、人が少ないとラッキーと感じたことはあるだろう。人が多くても、この壺湯だけは入ってしまえば誰にも邪魔されず、数分間は自分のものになる。湯通しにも、締めにも、風呂を独占できるのはたまらない。

【料金・営業時間】1,000円〜破格の贅沢

[60分] 1,000円
[90分] 1,300円
[120分] 1,600円
  • ■ 施設名:温窟サウナ かま蔵
  • ■ 営業時間
  • [平日] 12:00〜24:00
  • [休日] 10:00〜24:00
  • ■ 住所:群馬県伊勢崎市宮子町3299-1
  • ■ アクセス:[車] 駒形IC(交差点)を左折して県道2号へ入って13分
  • ■ 公式サイト:https://www.instagram.com/onkutsu.sauna.kamakura/

最大の魅力は、なんといっても60分1,000円という破格の料金設定だ。これだけ充実した設備を1,000円ポッキリで利用できるサウナは、他に類を見ない。もはやちょっとしたスパ銭よりコスパと設備面での満足度は高い。

【温窟サウナ かま蔵】心もほっこり温める土のかま蔵、伊勢崎市のサウナの洞窟

「温窟サウナ かま蔵」は、群馬県伊勢崎市に誕生した新しいサウナ文化の提案だ。土壁による独特の輻射熱、本物の植物がもたらす癒し、そして何より静寂を大切にする空間づくり。すべてが「しっぽり一人で入る」というコンセプトに貫かれている。
群馬県出身のオーナーは、今後も群馬を中心に新たなサウナを展開していく予定だ。横綱、かま蔵ときたら、次はどうなるのか?関東のサウナシーンがますます盛り上がることを願いたい。

アウフグースや賑やかなイベントとは対極にある、内向的でほっこりとした日常的なサウナ体験。モール内という立地も秀逸で、買い物のついでや深夜のファミレス感覚で気軽に立ち寄れる。サウナが日常に溶け込む新しいスタイルを、ぜひ日常遣いしてほしい。

▼ 施設情報 〜料金やWi-Fiなどの詳細はこちらから〜

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